【在宅酸素療法】酸素ボンベの安全な取り扱いと携帯方法を再確認

酸素ボンベからの出火はあり得るのか?先日、女の子が乗る酸素ボンベを積んだベビーカーが炎上する、痛ましい事故が起きました。彼女の親御さんをはじめとする親しくされていた方々の心中、察するに余りあります。

 

わが娘あんじも、外出時はバギーの下部に酸素ボンベを積み、社会生活を営んでおります。ゆえに今回の一件は他人ごとではありません。事故当時の状況では周囲に火気はなく、酸素ボンベから発火した原因は不明とのこと。

 

酸素ボンベによる事故が報道されるたび、在宅酸素療法をおこなう人々の日常は不安に包まれます。しかし酸素を使わないという選択肢がない以上、過度な不安によって生活のクオリティを下げる事態は避けたいところ。

 

ならばわれわれは、酸素ボンベの取り扱い方法を見直し、安全に使用するべく努めるしかありません。さっそく酸素ボンベの正しい使用方法を、改めてチェックしてみましょう。(参考:大陽日酸株式会社「正しい知識で、事故を防ごう!医療用ガスの基礎知識と安全管理方法」

【酸素ボンベの保管】高温・衝撃・手荒な持ち運びはアウト

 

 

まずは酸素ボンベの保管方法を3つのチェックポイントで確認してまいります。

 

  1. 酸素ボンベは風通しがよく高温にならない場所に置く(40℃以下)
  2. 酸素ボンベが倒れたり落ちたりしないようにする
  3. 酸素ボンベを持ち上げるときは必ずバルブの下を持つ

 

これまで母は、真夏の車内に酸素ボンベを積みっぱなしにしておりました。しかし真夏の炎天下(外気温35℃)では、エンジン停止後わずか30分ほどで車内温度は45℃に達するとのこと(参考:JAF「車なんでも質問箱」)。

 

さらに時間の経過とともに、車内温度は55℃を超えることもあるとか。ここまで暑くなると、可燃性の危険物が破裂したり、引火したりする可能性もあるそうです。ヒイ。酸素は支燃性(ものを燃えやすくする)に分類されますが、「可燃性じゃないなら大丈夫」なわけではありません。

 

「これまで何事もなかったんだから大丈夫」なわけもありません。事故が起こる・起こらないは運としか言いようがないです。馴れが生む油断。今後、車内では保冷バッグ&保冷剤を使用し、酸素ボンベ保管の適正温度である40℃以下を維持できるよう努めます。

 

となると、真夏は、熱されたアスファルトにほど近いバギーの下部に積んだ酸素ボンベも危険なのでは…?
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馴れから生じたアウトと教訓から得たセーフ

 

 

思えば、あんじが在宅酸素療法を始めたのはおよそ8年も前のこと。今やわが家では酸素ボンベは生活に根ざしたツール。ゆえに母は、酸素ボンベを雑に扱うようになってしまいました。

 

酸素ボンベを落とすこともままありますし、ドミノ式に5本ほど倒したことすらあります。酸素ボンベへの衝撃、手荒な扱いが日常化。こいつぁ酸素ボンベの取り扱い方法としては完全にアウトです。

 

今後は酸素ボンベにやさしく、朗らかに、適正に扱うことをここに誓います。

 

【酸素ボンベ使用準備】流量調整器を正しく取り付け

 

 

次に、酸素ボンベの流量計(流量調整器)の取り付けチェックポイント5つです。

 

  1. 流量計の取り付け部にパッキンがあることを確認
  2. パッキンが破損・劣化していないか確認
  3. 酸素ボンベの取り付け部にホコリや汚れがないか確認
  4. 双方の取り付け部をしっかり合わせ、ネジを右回しに締める
  5. ネジは無理に締めすぎない

 

とにかくパッキンが正常な状態になければ、流量調整器は役割を果たしません。かつて母も、パッキンが付いていないことに気づかずに流量調整器を取り付けてしまい、シャーーーっ!(思いのほかめちゃビビる音)っと酸素が漏れ出て焦った経験がございます。

 

だいたい流量調整器を付け替える際にポロリとパッキンを落としていたり、外した際に酸素ボンベのほうにパッキンだけ取り残していたりといったうっかりが原因です。もしパッキンを落としたら、汚れをよくふき取ってから接続部に取り付けてください。

 

流量調整器の取り扱いは思わぬ事故の引き金になることもありますので、要注意ですぞ。

 

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パッキンが肝心かなめ!ガス漏れやホコリが招く発火のリスク

 

 

酸素ボンベの使用には流量調整器がマスト、そして流量調整器にはパッキンがマストです。これらがそろって初めて酸素ボンベから酸素が吸入できる状態になります。このパッキンが劣化していると、酸素が漏れる原因になります。

 

酸素が漏れて吹き出せば、摩擦熱による発火や、火気や静電気などで引火する可能性もあるのです。パッキンは経年劣化のほか、流量調整器を取り付ける際にネジを締め付けすぎても傷む原因になります。

 

流量調整器のネジは、ペットボトルのキャップくらいの感覚で程よく締めるのがベターです。このほか、酸素ボンベが発火した原因はパッキンに付着したホコリや手指の油だと断定された事例もあります。

 

酸素ボンベを使用・交換する際は、流量調整器とパッキンの状態をよくチェックしましょう。さて次は、酸素ボンベのバルブを開ける際のポイントをチェックしてまいります。

 

酸素ボンベのバルブは反時計回りに1回転半して開ける

 

 

酸素ボンベのバルブを開ける際は、反時計回りにゆっくりとひねり、1回半程度を目安に回します。ギュルンっと勢いよくひねって最大まで開けるなんてのは言語道断。酸素ボンベから酸素が一気に噴き出すことで400℃もの摩擦熱が生じ、発火するおそれがあります。

 

また酸素ボンベのバルブを開けるときには、どうか流量調整器のメモリを直視せず、顔を背けていただきたい。なんと、メモリを見つめたままバルブを開けたユーザーが、内圧で弾け飛んだメモリのカバーで顔を負傷する事例が報告されているからです。

 

滅多にない現象とは思いますが、これはコワい。ご用心を。

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【酸素ボンベ使用時】気を付けたい5つのこと

 

 

最後に、酸素ボンベ使用時に気を付けたいポイント3つです。

 

  1. 火気に気を付ける
  2. 40℃以下で使用する
  3. 使用後は流量計を上げたままバルブを閉めて圧力を抜く

 

酸素ボンベの適正温度が40℃以下というのは先に述べたとおりですが、日常で特に注意したいのが火気です。これも先に述べたとおり、酸素は支燃性のガスです。そのため喫煙やストーブ、漏電などによる火災は少なからず報告されています。

 

そもそも酸素吸入時は、酸素が流れているツールからストーブやガスコンロのような火気まで2メートル以上の距離を置く必要があります。ゆえに酸素を吸入しつつ煙草をたしなむなんて行為は言うまでもなくアウトですが、居住空間において火気から常に2メートル離れて生活するのはなかなか難儀です。

 

ゆえにせめてストーブやガスコンロ、バースデーケーキのロウソク、仏壇のロウソク・線香など、目に見える火には酸素チューブを寄せ付けぬよう、細心の注意を払いましょう。さらに在宅酸素療法患者が特に気を付けたい漏電についても触れたいところですが、これはまた別の記事で掘り下げたいと思います。

 

酸素ボンベの保管は残圧を抜いてから

 

 

流量調整器内に圧をかけたまま酸素ボンベを保管してしまうのは、医療機関で多くあるヒヤリハット事例のひとつです。圧が残っていると流量調整器が酸素ボンベ内の残量を示したままになり、ダイヤルを回すと圧が抜けるまでの一時、酸素が流れます。

 

すると介助者は通常通り酸素が流れているものと思い込み、酸素ボンベのバルブを開け忘れてしまうのです。当然、患者は酸素が吸入できていない状態になってしまいます。そんな事態を防ぐには、酸素ボンベの使用後(または交換時)ははじめにバルブを閉めるようにします。

 

そして圧が抜けきったのを確認してから、流量調整器のダイヤルを「0(ゼロ)」まで戻すようにしましょう。

 

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医療にも宇宙にも海にも欠かせない酸素ボンベ

 

 

在宅酸素療法を安全に行っていくために必要なのは、正しい知識です。それでも避けられない不運はあるかもしれませんが、基本的な注意点がわかっていれば、自分も周囲も安心できます。

 

日本で在宅酸素療法を行う人口は2015年時点で推定16万5,000人、そしてその数はこの15年の間、年間3,000人のペースで増加しています(参考:日本医事新報社「(1)在宅酸素療法の適応病態 [特集:在宅酸素療法・換気補助療法の現在]」)。

 

酸素ボンベはスキューバダイビングのみならず、公共の場で、とある人々が日常生活を送るために使用されているのだと、世間に周知されてほしいものです。余談ですが、宇宙旅行にも酸素ボンベはマストです。

 

もし月へ旅行する予定がある方がいらっしゃいましたら、旅立つ前に、ぜひこの記事を再度ご一読くださいませ。

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