きのうは毎月 1 回の定期の受診の日。思いのほか早く診察が終わりました。
電動車いす WHILL(ウィル)の操縦にすっかり慣れたあんじは
「散歩するっ」
と意気揚々。それならばと病院にほど近い水戸の名所のひとつ、大塚池 なる憩いの地に行ってまいりました。
段差もなく、車いすユーザーのお散歩には最適です。行き交う方々と気持ちのよい挨拶を交わし、心地よいお散歩タイム。
ところがそこで出会ったご婦人から、物騒な話が舞い込みましてね。
引きずり込まれたら終わりだよ
「茂みに引きずり込まれて乱暴された女の人がいるんだから」
衝撃的な情報を教えてくださったのは、大塚池遊歩道を歩いていらしたご婦人。
それを聞いた小心者の母ってば、
ってマスオさん(旧)ばりに声が裏返ってしまいました。
スイスイと先を行く娘をあわてて静止します。
「ちょ、あんじ、待てっ。」
ご婦人から忠告を受ける母を捨て置き、どんどん進むあんじ。
内心焦る母に、ご婦人はさらに言葉を続けます。
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池に落とされたら終わりだよ
「男のヒトが一緒だってね、池にボチャンと落とされて、女のヒトだけ連れ去られることもあるんだからね。」
と、ご婦人。
「池にボチャン」
と力強く身ぶり手ぶり、カメハメ波でも出そうな勢いの池ドンを表現。
なるほど、そんな力で押されたなら男のヒトだってひとたまりもないでしょうな。
万人、池ポチャ必至。そうして邪魔者を排除したのち、女のヒトをさっさと車に押し込む手口があるのだそうな。
こうしている間にも、あんじはひとり、先へ先へとスイスイ進みます。
「おーい、あんじ、止ま、止まってくれーっ」
しかしご婦人のお話はまだ続きまして。
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ふたりがかりには勝てないよ
「体と足を同時に持ち上げられて、連れ去られちゃったヒトもいたのよ。」
ふむふむ、ふたりがかりの犯行ですな。単独犯の事件ばかりではないと。
まあ、我らふたりは単独犯にすら抵抗できそうにないのですが。
おお、寒。いつの間にやらすっかり日が落ちていました。
このとき寒気に襲われたのは、日が暮れたせいばかりではないでしょう。
ねぇご婦人、そろそろあんじを追いかけてもよいでしょうか。
日暮れはダメ、日中でも曇天ならダメ
「こんな遅い時間はもうダメよ。日中だってね、曇天はダメよ、ココは。」
とご婦人に御礼申し上げるや否や、矢の如き速さであんじを連れ戻しに走りました。
ランニングやウォーキング、犬の散歩。ヒトとすれ違うたび、思わず神経を尖らせます。
だってまさか雄大な自然を臨むこの地が、そんなにも治安が悪いだなんて。
もうお母ちゃん帰りたくて仕方がなかったです。
BGMは白鳥おばさんの奇声
大塚池の敷地内に踏み入ったときから聴こえていた BGM。
それは池に群れなす白鳥たちが鳴く声。そしてそれらに餌付けし、扇動する白鳥おばさんの奇声。
まるで魔女さながらです。幼少期によく目にした「ねるねるねるね」の CM が脳裏に浮かびました。
折りしも季節はハロウィーン。白鳥と魔女のトリック・オア・トリートな饗宴です。
その異様な光景も、さっきまではさほど気にならなかったのに。
恐ろしい話を聞いた後では、魔境に踏み入ってしまった錯覚に陥ります。
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心霊スポットより怖いなって
夕暮れの大塚池は絶景です。ところが日が落ちた途端に襲いくる恐怖は、心霊スポットのそれを超えてきます。
若りし頃は心霊スポット巡りなどと、無鉄砲に挑んでははしゃいだものです。
しかしオトナになった今は、リアルな人間のほうがよほど怖いと心得ております。
それにしても、あんな住宅街の中にある場所で本当にそんな事件が…?
真相は闇の中です。日暮れだけに(うまいことは言っていない)。
大塚池は晴れた日に行きたいね
大塚池 はレジャーだけではなく、写真撮影にもおすすめの景勝地。
光が波立つ雄大な水面、マイナスイオンが降り注ぐ遊歩道。芝に覆われた広場に、子ども心くすぐる遊具。
前述のご婦人のお話が嘘か真かはわかりませんが、晴れた日にまた行きたいと思います。
きのうは雲が多めの空模様でしたが、それでもミラクルアワーの池と空のコントラストは格別でした。
よく晴れた日ならさらなる絶景が拝めるはず。時間帯によって景観もだいぶ変わりそうなので、楽しみです。
次はきちんと周回して、そこかしこで撮影したいなぁ。
ちなみに白鳥と黒鳥が見られるのは 10 月~ 2 月の期間限定だそうな。
季節ごとの生き物や植物を楽しむのもオツですよね。
ではでは。