2018 年 4 月 9 日、わが家の呼吸器っ子あんじは、特別支援学校の中学部に入学しました。
しかも念願叶って、中学部からは通学生です。
卒業式に続き、入学式も長男とかぶってしまったため、あんじの入学式には代理人が出席することに。
代理人とは例のごとくあんじの未来の姑さまです。
入学式も卒業式も人生において特別な行事。あんじと長男どちらをとるか、究極の選択です。
しかし今年ばかりは母、長男のハレノヒを優先いたしましたのよ。
だってあんじがここまで育つにはどれだけ手を焼いてきたでしょうか。
そのしわ寄せはすべて長男に及んできたといっても過言ではありません。
それでもって長男をひとり人生の節目となる式に向かわせるだなんて、できやしません。
長男は「あんじの式に行っていいよ」と口にしてはいましたが、幸いわれわれには心強い味方が付いています。
そして今後はこれまで以上にあんじに付きっきりの生活が始まることですし。
そう、あんじが通学するためには
母の常時介助が必須なのです。
※母のイメージ。
医療的ケア児の受け入れは全国的に進んできています。にもかかわらず、なんと茨城の体制は
プリズンならばブレイクしているところです。
学校側はあんじが授業を受けやすい態勢を考慮してくれているし、先生方もとても親切だと感じます。
ですが、
ですが、
子どもの授業に親が張り付いているって、こんな不自然なことありますかい?
想像してください。
週 5 日の授業参観を。
想像してください。
およそ 6 時間にもわたる授業参観を。
想像してください。
教室で子どものとなりに鎮座する保護者の姿を。
もう不自然なことこの上なしですから。
といってもあんじはまだ通学慣らし期間。4 月は週 3 日~ 4 日の通学に甘んじておりました。
にもかかわらず母の枯れ具合ときたら。こりゃ週 5 も通ったら塵と化すこと請け合い。
こんなにも長き時を学校で過ごすなど、学生時代にも経験したことがありません。
学生の本分をないがしろにしてきた報いを今になって受けている格好です。
これが俗にいう 因果応報。
とにかく母は参っております。
昨今では国が医療的ケア児に対する施策 を具体化する動きがありました。
あんじの学校でも、今年度から「高度医療的ケアコーディネーター」なる役職を配置したそうです。
進歩はあれども牛歩の印象は否めません。ようやくここまできたか、というより、今ココかよです。
しかしこういった機運に乗じて、あんじのように医療デバイスを使用する生徒の通学が当たり前になっていけば。
そして子どもたちが自立した学校生活が送れるようになっていければ。
そう願ってやみません。なににつけても、劇的な変化はとうてい無理です。
理解してはおりますが、もどかしい思いばかりがあふれます。
現状は「医療的ケア児を生んだからには汲々として一生を終えるのが親の責務だ」と言わんばかりです。
今はひとつひとつ、就学環境のバリアフリー化と足掛かりを作るときなのかもしれません。
しかしやはり急務だといいたい。だって心身重症障害児に流れている時間は健常児のそれと同じではないのです。
考えることすらもはばかられますが、そもそも与えられたロウソクが短いのです。
だからこそ母は腹を据えて、あんじの望みを叶えるべく通学に踏み切りました。
これまで請け負ってきた仕事をすべて整理し、通学に向けて歩を進めてまいりました。
これまでどおりのペースで仕事を続けるなんてまるで無理ですもん。
結果、4 月からの収入は自営サイトと単発の仕事が頼みの綱。
家計はマイナスに急降下することが予測されます。でも大丈夫。貧乏には慣れているのです(悲)
今、無理は禁物。母が壊れるようなことがあってはならぬのです。
体力・胆力・精神力を養いながら徐々に仕事量を戻していきましょうぞ。
とにもかくにも、あんじは中学校生活を謳歌しています。授業が楽しくて仕方がない様子です。
付き添いは生気を吸い取られるような心地ですが、同級生とのやりとりや授業の様子を間近で見ていられるのは役得かもしれません。
あんじはほぼ毎日、SRC ウォーカーに乗って校内を闊歩しております。
ウォーカーは人工呼吸器と酸素ボンベ用の荷台付き、単独で動ける仕様で作った特注品です。
以前、ちょこっとほのめかしたあんじの新しいアシのお話。今夜は、ようやくその全容を明らかにいたします。アシといっても、なんてこたぁないウォーカー(歩行器) 。ではなく、人工呼吸器と酸素ボンベをまるっと載せられる荷台付き。あんじ[…]
しかし「重いから嫌」だそうで、現在は荷台を使用しておりません。
したがって母が酸素ボンベと人工呼吸器を別途カートに積んで並走している次第です。
あんじは身ひとつで軽快にウォーカーを走らせております。体育のマラソンでは MVP を獲得しました笑
あの病弱だったあんじが、今では体力自慢の中学生ですって。
これは間違いなく学校生活の賜物。今後もあるであろう変化や成長が楽しみでなりません。
どうか 1 日でも長く、健やかに通学できますように。