はじめまして!アイセル病患者の母の備忘録ブログです

はじめまして!アイセル病患者の母の備忘録ブログです

 

ブログをはじめました。コメント大歓迎です。これからどうぞよろす。 このたびは我が娘が患う「アイセル(I-cell)病」、またの名を「ムコリピドーシスⅡ型」と申します疾患を広く世に知らしめたいと思いたち、ワタクシ、一生やるまいと思っていたブログをついに開設いたしました次第です。

 

このアイセル病というのが、まあなかなか厄介でして。日進月歩の現代医学をもってしても無力な、こんな病気がいまだにあるのね…ってな感じなのです。さて、アイセル病とはいったいどのような疾患なのか?

 

以下に記してまいります。面倒なところは読み流してかまいません。何卒お付き合いくださいませ。

 

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アイセル病/ムコリピドーシスⅡ型ってどんな病気?

 

 

アイセル病では、代謝にかかわる酵素「N-アセチルグルコサミンホスホトランスフェラーゼ」が欠損しています。アイセル病は「常染色体性劣性リソソーム(ライソゾーム)蓄積症」の一種で、「ライソゾーム病」に分類されます。

 

症状としては、乳児期より骨の変形や肝臓と脾臓、心臓の腫大、四肢の拘縮、中枢神経障害などがみられます。症状は徐々に進行し、舌や歯肉も肥大していくため、歯が生えそろうまでに時間がかかったり、舌が口の中に収まらなくなったりもします。

 

顔の特徴は大きな目と小さな鼻、扁平な顔面に丸顔であることが多いです。生後6ヶ月頃には精神的、身体的な発育遅滞が認められるのに加え、小人症を伴うため、体は3フィート(およそ90センチ)程度までしか成長しないとされています。

 

さらに、多くの患者に肺炎や気管支炎といった再発性呼吸器感染症、手根管症候群や知能障害がみられます。

 

細胞内の主!?ライソゾーム(リソソーム)とは?

 


ライソゾーム(lysosome)とは、細胞内の消化器官です。細胞内では細胞の活動、いわば生命活動を担う細胞小器官(オルガネラ)が働いてます。ちなみに細胞とは生物の基本的な最小単位で、ヒトは37兆個の細胞でできているといわれています。

 

細胞小器官には、ライソゾームのほかに細胞核やリボソーム、ミトコンドリア、ゴルジ体、中心体などがあり、それぞれ働きが異なります。なかでもアイセル病にかかわるライソゾームでは、細胞内に取り込まれたタンパク質や脂質、糖質を、ライソゾーム酵素によって分解します。

 

分解されてできたアミノ酸やリン脂質、糖、核酸は、細胞内で吸収されるものと、細胞外に捨てられるものに分けられます。また分解されずに残ったものは、そのまま細胞内に蓄積します。

 

これらライソゾーム内で行われる分解・吸収・排出といった一連の作用が、「代謝」です。

 

初耳!ライソゾーム病ってどんな病気?

 

 

ライソゾーム病とは、何らかの「ライソゾーム酵素」が欠損していることによって、代謝されない物質が体内に蓄積してしまう先天性代謝異常です。現在、ライソゾーム病に分類される疾患は、およそ60種類にのぼります。

 

ただし、アイセル病において欠損している酵素は、実はライソゾーム酵素ではありません。アイセル病は、N-アセチルグルコサミンホスホトランスフェラーゼの欠損によって、ライソゾーム酵素が作られない状態なのです。

 

つまり、すべてのライソゾーム酵素が欠損しているともいえます。特定のライソゾームの欠損に起因するものではないという点が、他のライソゾームと異なる部分です。

 

【勉強タイム】アイセル病患者に欠損している酵素の役割とは?

 

 

アイセル病で欠損している酵素は、「N-アセチルグルコサミンホスホトランスフェラーゼ」です。これはライソゾーム酵素とは異なり、ライソゾーム酵素の素がライソゾーム酵素になるために必要不可欠な酵素です。

 

ライソゾーム酵素がなければ、当然、細胞内で代謝が行われません。では、N-アセチルグルコサミンホスホトランスフェラーゼの役割とはいかようなものか?詳細をご覧くださいませ。

 

知って学んで賢者になろう!細胞内の代謝の仕組み

 

 

細胞内の代謝では、まず、細胞内に「糖タンパク(ライソゾーム酵素の素)」が取り込まれます。糖タンパクとは、細胞表面や細胞外に分泌されている物質です。次に、粗面小胞体(細胞小器官)で、糖タンパクに「マンノース」という単糖が付加されます。

 

さらに、ゴルジ体(細胞小器官)では、マンノースに「リン酸基」が付加されます。この作用を「リン酸化」といいます。すると、糖タンパクに付加していたマンノースは、「マンノース6リン酸」に変換されます。マンノース6リン酸は、糖タンパクを特定のライソゾーム内に送るための「シグナル」として機能します。

 

その後、各糖タンパクは、それぞれのシグナルに呼応する特定のライソゾーム内に送られます。そしてライソゾーム内に入ると、マンノース6リン酸は糖タンパクから離れ、再びゴルジ体に戻ります。

 

こうして糖タンパクはライソゾーム酵素となり、細胞内で代謝を行うのです。

 

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サラバ!代謝されなかった物質の行方

 

 

それぞれ適合したライソゾームへと糖タンパクを運ぶためには、マンノース6リン酸が必須です。マンノース6リン酸は、いわば宅配便の送付状。送付状のない荷物は、当然、運びようがありません。

 

細胞内では、糖タンパクに送付状を付ける作用が、マンノースのリン酸化に当たります。ところがリン酸化には、 N-アセチルグルコサミンホスホトランスフェラーゼが欠かせません。

 

そのため、アイセル病患者の糖タンパクは、送付状のない迷子の荷物となって、細胞内に溜まっていきます。そして不用物として細胞外に捨てられる(エキソサイトーシス)と、今度は「細胞外マトリックス」という物質内にどんどん溜まっていきます。

 

名前がcool!細胞外マトリックスとは?

 

 

細胞外マトリックスとは、細胞と細胞の隙間、つまり細胞外を満たしている物質です。卵で例えると、卵黄が細胞で、その外側を満たしている卵白が細胞外マトリックスです。

 

また、糖タンパクが運ばれてこないライソゾーム内にも、ライソゾーム酵素が作られないために分解(代謝)されないタンパク質や脂質、糖質がどんどん溜まっていきます。

 

【読み飛ばしOK!】アイセル病の治療方法は?

 

 

冒頭に記したとおり、アイセル病には効果的な治療法はありません。これまでに、病状の進行を抑える手段として、イソフラボンの積極的な摂取が推奨されたことはあります。

 

しかし残念ながら症状の制御や低減に至ったエビデンスは確認されていません。また唯一、骨髄移植なら病状の進行が緩やかになる可能性があるといわれていますが、過去の成績を見る限り、リスクに反して予後は芳しくないといえます。

 

アイセル病コミュニティ家族会の紹介

 

 

我が家は、アイセル病をサポートしてくださっているムコ多糖症患者家族の会(旧ムコ多糖症親の会)に入会しております。こちらの会は、当該患者や家族ではなくとも、賛助会員としての入会も可能です。

 

みなさん、ぜひ交流会でお会いしましょう。

 

ムコ多糖症患者家族の会HP
http://www.mps-japan.org/

 

※2018年6月11日追記
思うところあり、わが家はムコ多糖症患者家族の会を2018年3月をもって退会いたしました。

 

【あんじ母流】アイセルっ子育児の意気と意地と維持

 

 

あんじが抱える病気、アイセル病は、進行性なだけに深刻な状況に陥るときもあります。しかしまあ現状は、元気に家族みんなで日々を過ごしております。これぞ日常。ゆえに、「1日1日を大事にする」なんてキラキラしたことは、てんで考えておりませぬ。

 

物事はどーにかなるようになるし、なるようにしかならないものですから、気楽にアイセル病患児の母をやっております。もし人生のハードルを前に「到底そんな心持ちではいられんわ!」という方がいらっしゃいましたら、ぜひ当ブログまでメッセージを頂きたく存じます。

 

ワタクシにはアドバイスなどと大層なことはできませんが、どこぞやのどなた様かのやり場のない気持ちをぶち当てていただくサンドバッグくらいにはなれましょう。バッチコイ。

 

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医療的ケア&障害児情報まる出し先だし全部出し!

 

このブログは、アイセル病女子とその家族の何気ない日常をメインに綴っていく予定です。が、もしかすると医療的ケア児や障害児にかかわるどこぞやのどなたかの役に立つ情報を発信する可能性も…無きにしも非ず。

 

そしてそれらの情報が、アイセル患者家族のみならず、広くみなさまの悩みを解決する糸口になれば幸いと存じます。希少な疾患ながら、世界的にみれば日本人への出現率が一番高いらしいアイセル病。

 

この先、代謝異常の根治が望める研究が進んでいくことを願ってやみません。この先、ワタクシと同じ気持ちでいるみなさまが心躍らせるようなステキな情報を見つけては、ジャンジャン発信してまいります。

 

乞うご期待!

……更新頻度以外は。(^^

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