あんじのお風呂あがりに、人工呼吸器の移動用回路を在宅用回路に戻したときのこと。またしてもフレックスチューブが破けました。しかも、いまだかつてないくらいハデに。
いつもなら慌てずに新しいチューブと交換するのですが、今回はめずらしく慌ててしまいました。なんたって、破け方がハデだったもんで。まるでトルネードポテトだったもんで。
フレックスチューブが破けたって話を周囲ではあまり聞きません。こんなにフレックスチューブを破損するのはあんじだけ?原因を独自に考察してみました。
フレックスチューブとは?
フレックスチューブとは、人工呼吸器の回路の一部で、ユーザーに直接つなげる20センチほどの蛇腹状の管です。「フレキシブルチューブ」と表記するメーカーもあるようです。
人工呼吸器使用時は、フレックスチューブのLコネクタ(エルボ)というL字型の部分をカニューレにつなげます。余談ですが、L字型の部品はおおよそ「エルボ」と呼ばれます。
エルボ=「肘(ひじ)」ですね。これは人工呼吸器に限らず、パイプや排水管などでも同様です。人工呼吸器ではバクテリアフィルターと回路をつなぐ部分にもエルボをつないだり、つながなかったり。
ハデに破けたフレックスチューブ公開
ねえ?こいつぁまるでトルネードポテトでしょ? But this is a flex-tube.(しかしこれはフレックスチューブです。)って意味なく中学英語を引っ張り出しちゃうくらい、ちょっと焦りましたのよ。
このハデな破れっぷりに。だってこれまでなら
だったのが、
こんなんですよ?そりゃあビックリしちゃいますって。まあどんなふうに破れようが、対処は「フレックスチューブを交換する」の一択なんですけどね。
フレックスチューブは寒さにも暑さにも弱い?
あんじのフレックスチューブが11月頃からやたらと破れている気がしたので、WEB上でとあるフレックスチューブの取説を改めて確認。(フレックスチューブは数多あれど、だいたい同じ仕様と仮定しております。)
【保管方法及び有効期間等】
<製品の使用、輸送保管の環境条件>
使用 輸送/保管
温度: 5~35℃ -10~50℃
湿度: 15~95% 15~95%
フレックスチューブ使用下での温度条件は5~35℃。つまり寒すぎても暑すぎてもアカンとな。たしかに、2018年11月の水戸の気温を調べてみると、5℃を下回った日が幾度かあります。なるほど。
水戸の秋冬の気候は、フレックスチューブの使用環境条件にそぐわなかったってわけだ。思い返せば、夏にフレックスチューブが破れたこともあったような。たしかに、ここ数年の7月・8月は35℃を超える日も。
生き物にとって過酷な季節は、フレックスチューブにとっても過酷なようです。さて、次にフレックスチューブの使用環境に適当な湿度の条件を見てみましょう。
フレックスチューブは乾燥に弱い?
フレックスチューブ使用環境の条件にある湿度は10~95%。ふむふむ、夏はまず心配いらなそうですね。しかし下限は15%。これはいかん。実はあんじが通う学校の教室では、なんと湿度5%という極度の乾燥を記録。
そんなもんで、あんじの学校では間もなくインフルエンザが蔓延する兆しです。さすがに先週からは加湿器がつきました。しかし家庭用加湿器1台を置いたくらいなので、教室の湿度は上がってもせいぜい20%。
それでもフレックスチューブの使用環境としては湿度15%~という条件をクリアーしているので、人工呼吸器ユーザーの許容範囲内にステイ。…まあギリな感じですが。
フレックスチューブの使用期限に注意!
人工呼吸器のフレックスチューブはどのくらいの期間で交換が必要なのでしょうか?取説によると、
<使用期間>
2週間を目安に使用すること。
とあります。したがって、フレックスチューブは2週間ごとの交換がベストですね。ところで人工呼吸器の回路一式は、1ヶ月に1回交換がいいとか、2週間に1回交換がいいとか、そもそも破損するまで交換はいらないなど、さまざまな説があるようです。
アメリカでは人工呼吸器回路一式を1年間も交換しないという話が…。ええ~~~。こ、コワイ。ちなみにあんじがお世話になっている病院では、回路一式は1ヶ月に1回の交換を推奨していたと思います。
たぶん。ただしうちの場合、あんじのようによく動く子は回路が傷みやすいということで、フィリップス(人工呼吸器のメーカー)の担当さんから2週間に1回の回路交換を勧められました。
とはいえ、フレックスチューブ単品に限っては、10日に1回は交換するハメになっています。アクティブゆえの破損により。と思っていましたが、今回の考察からすると、フレックスチューブが破れやすいのには気候も関係していたのかな?
状態が気になる時はとにかく交換しちゃえ
それでは最後に、フレックスチューブの交換時期をまとめましょう。
- 2週間に1回は定期的に交換。
- 異音(空気の漏れなど)を感じたらとりあえず交換。
- 破損を見つけたらなおのこと交換。
- 内部に汚れを見つけたらすぐさま交換。
また人工呼吸器の回路一式も、定期的な交換以外の上記の条件に当てはまる場合は、交換が必要になるでしょう。母の経験では、回路は基本的に部品接続部の近くが破けやすい印象です。
圧やリークの値がいつもと違う、聞きなれない音がするといった場合は、アラームは鳴らずとも回路に異状がある可能性があります。どこかに小さな穴が開いているとか、ウォータートラップがハマりきっていないとかね。
人工呼吸器ユーザーおよびご家族のみなさん。われわれの日常があるのは人工呼吸器のおかげです。不安要素は情報共有でぶっつぶし、共に安全かつハッピーな呼吸器ライフを送りましょ。