柔らかな陽が差す麗らかな春の日、わが家の長男が高校を卒業しました。
特攻の拓よろしく暴走バイクにいかついヤン車、パトカーのサイレンが高らかに鳴り響く。
そんな卒業式、そんな 1 日の記録です。
卒業式と卒業証書授与式って別ものなんですね
長男が高校を卒業しました。昨年から続く感染症の影響により、今年の卒業式はちょっと特殊な状況です。
まず、保護者は卒業証書授与式への臨席のみ。卒業式には参加できません。
そして卒業証書授与式の会場に入れるのも 1 家庭 2 名までです。
しかしながら会場に来られない、入れない親族のために式をライブ配信。
ともすれば例年より多くの関係者たちがオンラインで見届けられたのではないでしょうか。
これらの配慮のおかげで 200 人超の卒業生とその保護者、諸先生方が収まる会場には随分とゆとりが。
さらに各席はほどよく距離がとられており、会場内の密は徹底回避されていました。
もちろん、会場入り口には消毒液の設置も万全です。感染症対策に余念がありません。
この世情です。子どもたちの晴れの日のために、先生方はどれほど心を砕いたことでしょう。
卒業証書授与式は滞りなく執り行われ、いまだかつてないスピードで閉じられたのでした。
ところであの、卒業式と卒業証書授与式って別ものなんですね。(←アホ)
涙をさらう恩師からのメッセージ
子どもたちは会場をあとにし、それぞれの教室に向かいます。
残された保護者たちは、担任の先生から最後のお言葉をちょうだいしました。
3 年間も気難しい年頃の子どもたちを指導してこられたのです。
反抗もされたでしょう。腹が立つこともあったでしょう。いいことばかりじゃなかったと思います。
それがまさか、そんなふうに思っていただけていたなんて。
「このクラスの子どもたちの担任になれて、本当に、よかった」
先生はおっしゃいましたね。肩を震わせ、視界をにゆがませ、振り絞るような声で。
こんなの生徒冥利に尽きる、ひいては親冥利に尽きるってもんです。
保護者たちの目頭はにわかに熱を帯び、母親たちの念入りに施されたアイラインも真夏のアイスがごとく…
と思われましたがこんな場面こそウォータープルーフがその真価を発揮。
女人衆の顔面崩壊は免れたのでした。そしてそのとき、
先生、わたしたちのほうこそ、あなたがうちの子の担任でいてくれて…
本当に、よかった―
そんな声が聴こえたような聴こえなかったような。以上、よその担任のエピソードでした。
この後、先生方も会場をあとにし、生徒たちの待つ教室へと向かいます。
いよいよ高校生活最後のロングホームルーム、保護者不在の卒業式の始まりです。
姉と友人と爆音と肛門括約筋
卒業式の間、保護者たちは外で子どもたちの帰りを待っていました。
とても気持ちのよく晴れた日でしたが、北風は強め、体感温度は気温マイナス 7 ℃ほどです。
みるみるうちに冷えゆく下半身。大自然の力に抗うべく母は肛門括約筋に活を入れます。
理性を保つべく必死です。そう、母はほとばしる尿意とたたかっていました。
風よやめ。息子のハレの日に、母は事件を起こしとうない。
と、そのとき、なんと現場に友人が登場。
長男の卒業祝いにとギフトを携え、わざわざ駆けつけてくれたのです。
母の見慣れないフォーマルな装いを目にして「先生かと思った」と一言。
そうでしょう?普段の無法者の如し母の姿は仮の姿なの。本来の姿はこっちなの。
なんてやりとりを展開していると、母の姉からビデオ通話を着信。
長男と母へ向けたお祝いの言葉からはじまり、友人と 3 人、会話を弾ませました。
しかしそのとき、どんどろどろどろと轟くエンジン音、耳をつんざくファンファーレが―
→冒頭に書いた出来事です。
突然の爆音に母びっくり。危うく足元に水たまりを作るところでした。
(尿意とのたたかい継続中。)
旧友との再会と10代の祝い肉
サイレンが鳴り響く中、卒業式を終えて戻ってきた長男とパチリ。
記念撮影をしました。カメラマンは先の母の友人。微妙な仕上がりがセンスを物語ります。
さておき、肉の時間です。10 代の祝い事といったら肉ですよね。
ここで母の友人がもうひとり加わり、4 人で肉ランチとしけこみました。
テーブルに着くと、そばにはチラリチラリとこちらを気にする青年が。
なんと長男の同級生でした。保育園時代をともにした旧友とまさかの再会。
同じ高校なのですが、学科が違うとまったく交流がない高校ゆえ、本当に久々に会ったようです。
青年のお母様とも 12 年ぶりの再会。お久しブリタニア。
どこのお宅でもやはり 10 代の祝い事は肉なのですね。昔と変わらずすこぶるきれいな母君でした。
すったもんだの3月です
1 日は長男の高校卒業式、3 日はわが家の呼吸器っ子、あんじの高校受検です。
12 日は合否発表、16 日は中学卒業式。新年度に向けた準備だって盛りだくさんでございます。
免許を取得した長男のために損保契約を変更し、姉から譲り受けた車の移転登録もせねばなりません。
けれど 3 学年差きょうだいのイベントに忙殺されるのは今年で最後です。
とうとう長男、学生生活からイチ抜けします。ほっとするやら寂しいやら。
4 月から始まる新生活に親子そろって不安(不満?)いっぱいです。
まあまあ、なんとかやり過ごしてまいりましょう。これまでそうしてきたように。
とりあえずは長男、高校卒業おめでとう。